★免疫力を養うには（その８）
21世紀は自分の健康を自身で予防し、そして護る時代です。
免疫力は自然治癒力であり生命力である。そしてその人に備わった治そうと思う強い心が免疫力を高めることも前回申しました。免疫力を養うために色々な要素が必要ですが、まず第一に「正しい食事」です。先号で書いたように私達東洋人は元来、農耕民族としての遺伝子を受け継いでいます。つまり「米食と菜食」が基本の民族なのです。近年、欧米化の影響でパン食や肉食が増えました。
食料需給表を基にした統計では1940年の米の消費量を100とした場合、1980年は60、さらに20年以上を経た現代では50を下回っていると予測されます。一方この間、肉の消費量は10倍以上、油脂は15倍以上、乳製品に至っては20倍をはるかに越えているそうです。
このように、いつの間にか狩猟民族や酪農民族の食べ物を多く摂るようになったことが、肥満症をはじめ生活習慣病であるガン・糖尿病・アトピー皮膚炎などという厄介な病気が増えている一因であることが西洋医学界でも認識され始めました。「正しい食事」が自分の体を護り、体に生じた歪（ひずみ）を治すエネルギーを生み出す基本と言えます。中医学ではこのエネルギーのことを「正気」と呼んでいます。正気が盛んであると外からの細菌やウイルスの体内侵入を阻止することが出来ます。「扶正去邪」と言います。
正しい食事の次は睡眠と適度の運動です。充分な睡眠を摂ることはとても大切です。正しい食事と自分に合った適度の運動をすることで快眠は得られるものです。副交感神経が優位になるからです。眠れないものと決め込んで最初から睡眠薬を使うのは考えものです。