ー《不妊症》に周期療法 その６ー
漢方周期療法は女性の月経周期の変化に応じて漢方薬を使い分けて服用し、健康で妊娠しやすい身体を作る方法です。この周期療法は現在、東洋医学と西洋医学の総合医療の進んだ中国では非常にポピュラーな不妊治療法です。
日本では考えられないと思う方もあるでしょうが、より自然に、より安全に、そしてよりやさしくと願う中国の人たちの知恵から生まれた治療法といえます。
用いる薬は漢方薬ですが、西洋医学の検査や基礎体温の状態を参考にしながら治療していく点が、大きな特徴です。
このコラムで何度も書きましたが、月経周期の変化、つまり月経期〜卵胞期〜排卵期〜黄体期に別々の漢方薬を服用する方法です。
１日は昼だけでも夜だけでもありません。昼から夜へ、夜から昼へとリズム正しく循環しています。女性の月経周期もこれと同じで、周期の変化がスムーズでリズム正しく繰り返されることが陰陽のバランスが取れた健康な身体ということになります。
従来のように漢方の一つの処方をずっと服用して体を整える治療法と比較して、とても合理的であることをご理解頂けると思います。
漢方周期療法は不妊治療としては画期的な方法ですが、すべての人にすぐ使える方法ではありません。例えば、月経周期が不定の人、子宮筋腫のある人、基礎体温表が二相にならず、排卵がない人、冷えが強く血のめぐりが極端に悪い人・・・こういった方々はまず、これらの症状を改善する漢方薬を用い、ある程度改善されて基礎体温も整ってきたところで周期療法に移ります。
尚、月刊誌 Bene Bene４月号に、10年間不妊症だった人が周期療法で成功した報告が出ています。